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【暴力的伝説】NSR250RとCRM250Rに乗った俺が語る、2スト250ccという“現代バイクじゃ絶対に作れない怪物”たち

今のバイクしか知らないなら読んでほしい。これは、異常だった時代の記録だ。

もしあなたが、現行のCBR250RRやYZF-R25、Ninja ZX-25Rに乗って「うおー加速すげぇ!」と感じているなら…… ちょっと待ってほしい。

「2スト250に乗ったことない人間が、バイクの加速を語るな」

――これはマウントでも思い出補正でもない。事実なんだ。

昔、NSR250RやCRM250Rを所有していた。今もいろんなバイクに乗り継いでいるが、あの頃の2スト250だけは、まったく別次元の存在だった。

NSRやCRMは、250ccの皮をかぶった“凶器”だった。 下手すればリッターSSすら置き去りにする。“合法の戦闘機”と呼ぶべきマシンだ。

そして今の若者たちにこそ伝えたい。

**「昔のバイクは危ないけど、人生変えるくらい面白かった」**って。


■ NSR250R──加速で笑いが出る、250cc最終兵器

NSR250R、特に90年代前半のSE/SPは、公道で乗れるフルスペックレーサーだった。

45馬力・車重140kg前後というカタログスペックは、現代のCBR250RR(41馬力・約168kg)よりもパワーウェイトレシオが圧倒的に上。

PGM制御・2気筒エンジン・軽量なアルミフレーム・分離給油とチャンバー排気。 そのすべてが“爆発力のため”に設計されていた。

アクセル開けた瞬間、世界が歪むような加速。 パワーバンドに入った瞬間、景色が一瞬でワープする。

しかもエンブレ(エンジンブレーキ)がほぼ効かない。 減速はブレーキが基本、コーナー進入は常に“突っ込み重視”。

操作をミスれば即クラッシュ、でも乗りこなせば空を飛ぶような快感。

これはもう、250ccの姿をしたMotoGPマシンだった。


■ CRM250R──オフ車の皮をかぶった戦斧(バトルアックス)

CRM250Rは、一見するとオフロードバイク。でもその実態は“山を走るNSR”。

高回転域まで鋭く吹け上がるエンジン、街中でもパワーを持て余す加速力。

「オフ車なのに、加速で笑いが出る」 「モタード化したら、峠でSSを喰える」

車体は軽く、トルクは太く、そして加速は狂ってる。

CRMは、CBR250RRのようなスマートさとは真逆の“暴力的な加速”。 NSRが「刀」なら、CRMは「戦斧」。どちらもバイクというより武器だ。


■ 今の4スト250ccは、優等生すぎる

もちろん、現行の250ccも素晴らしい。 CBR250RRやNinja ZX-25R、R25などは、性能も乗りやすさも高いレベルでまとまっている。

電子制御、トラコン、ABS、アシストスリッパークラッチ。 エンジンは低中速重視で扱いやすく、燃費もいい。

誰でも楽しく、安全に、快適に乗れる。

……でも、それが物足りない。

「バイクに振り回される感覚」 「乗るたびに命を削るようなスリル」

そういうものが、今の250にはない。

NSRやCRMは、“今の400ccでも敵わない”異常なバイクだった。 下手すればビッグバイクでもついていけないシチュエーションすらある。

加速勝負、コーナー進入、軽さと爆発力を活かした突っ込み性能。 それはまさに、バイクとライダーが“殴り合うような関係”だった。


■ 今、2ストに乗ったらどうなるか?

今のバイクしか知らない人がNSRやCRMに乗ったら、まずまともに扱えない。

・回転が急に跳ね上がって前輪が浮く ・エンブレ効かなくてコーナーでパニクる ・キャブ詰まりや混合オイルに戸惑う

「これはバイクじゃなくて、暴れ馬だ」

そう思うかもしれない。でも、それが良かった。

“本気で危ない”けど、“本気で面白い”。 2ストは、バイクというものの原始的な快楽を全部詰め込んでいた。

今は亡きモノだからこそ、乗れるうちに体験してほしい。


■ 若者にこそすすめたい。魂が震える体験を

昔の2ストは、明らかに未完成だった。 扱いにくく、壊れやすく、整備も手間がかかる。

でもその分、乗り手に“全力”を求めてきた。

アクセルワークも、ブレーキングも、シフトチェンジも、全身を使って走る感覚。

「乗りこなすほどに愛おしくなる」

それが、あの時代のバイクだった。

そして今、そんなバイクはもう作られない。

だからこそ価値がある。文化財レベルの体験価値がある。

若いライダーにこそ、乗ってほしい。怖くてもいい。一瞬でいい。

スロットルひとひねりで、バイクという存在が180度変わる

そんな衝撃を、人生のどこかで味わってほしい。


■ 終わりに──これは、狂ってたけど最高だった時代の記憶

NSR250R──合法レーサー。加速で笑う。 CRM250R──オフ車の皮をかぶった爆弾。

それは“ただのバイク”じゃなかった。

バイクに乗る理由、走る意味、命をかけて夢中になれる対象―― 2ストは、それをすべて教えてくれた存在だった。

今の時代には、もう戻ってこない。 でも、あの体験は語り継がれるべきものだ。

だからこそ、あなたに伝えたい。

2ストに乗ってた奴は、ちょっとイカれてたかもしれない。

でも、あの頃は確かに“命が熱くなる”バイクがあったんだ。