バイクが好きだ。
だけど、ただ「乗る」だけじゃない。俺はホンダというメーカーを通して、バイクという機械の本質に出会った。
エンジン形式の違い、設計思想、乗り味、フィーリング──すべてを体感し、体に叩き込んできた。
気づけば、空冷4発から水冷V型、2ストモンスターから現代のインジェクション制御まで、ホンダだけで全部を学んでいた。
これは、そんな「エンジン形式で語るホンダ体験」の話だ。
空冷:鼓動で走るということ
最初に“心を撃ち抜かれた”のは、空冷エンジンの存在感だった。
ラジエーターなんて無い。エンジンはむき出しで、走行風で冷やされる。そのぶん、エンジンそのものの「命」がダイレクトに伝わる。
アイドリングの音が金属の打音として響き、スロットルを少し開けるだけで“機械が生きている”ことが分かる。
空冷エンジンは、走る鼓動だ。
冷却の限界と戦いながら、それでも「味」で魅せる──それがホンダの空冷だった。
2スト:暴力的で純粋な快楽
そして、俺を完全にバイク狂にしたのが2ストロークエンジンだった。
ホンダの2ストは、ただ速いだけじゃない。設計・燃焼・サウンドすべてが狂ってる。
特にPGM制御のフルパワー250ccツインは、今のバイクと比べてもまったく別の生き物だ。
スロットルを開ければ景色がワープし、排気音は耳を貫通するように「バン!」と弾ける。
エンジンブレーキは「無いに等しい」。止まらない、曲がらない、でも加速だけは凶器。
それが、ホンダ2ストのヤバさだった。
V型エンジン:職人の工芸品
次に俺が衝撃を受けたのは、ホンダのV型エンジンだ。
Vツイン、V4……どれも、直列エンジンにはない**「重厚で、ねっとりした」パルス感**がある。
ホンダのV型は、ただ形式が違うだけじゃない。
高回転まで回りながら、低回転でもしっかりトルクが出るように設計された、知性の塊。
それでいて、ツインならではの鼓動感。
V4なら、スムーズでいて爆発的な加速──これはまさに“技術の暴力”だった。
「なんで他メーカーはこれが作れないんだ?」とすら思った。
インジェクション:時代を超えたスマートさ
最後に出会ったのが、フューエルインジェクション(FI)車だ。
最初は「面白くなさそう」と思っていた。でも実際に乗ってみると、全然違った。
始動性、レスポンス、燃費、トルクの出方すべてがスマート。まさに現代の技術。
しかもホンダのFIは、扱いやすさとパンチを絶妙に両立させてる。
「制御されてる」のに、ちゃんとライダーの感覚と一体化するように調整されている。
初めてFI車に乗ったときの印象?
「賢すぎる。でもちゃんと速い。」
ホンダという学校
気づけば、空冷・水冷・2スト・4スト・単気筒・並列・V型・FIと、すべての形式をホンダで学んでいた。
そして、そのすべてに明確な“設計思想”と“乗り味の哲学”があった。
他メーカーではなく、なぜホンダだったのか?
理由は単純。どの形式でも、「ちゃんとバイクしてた」から。
若いライダーに伝えたい
最近のバイクは、確かによくできてる。でも、昔のホンダのバイクには「魂に火をつける何か」があった。
暴力的だった2スト
重厚だったV型
鼓動が伝わる空冷
知性を感じるインジェクション
もしあなたがまだ1~2種類しか知らないなら、ぜひ他の形式にも触れてほしい。
全部ホンダで揃えて学べるって、実はとんでもないことだ。
まとめ:ホンダはバイクの教科書
バイクのすべてを、ホンダで学んだ。
形式が違えば、走りも違う。
でも、どれも「バイクって最高だ」と思わせてくれる共通点がある。
それが、ホンダ。
あなたがまだ気づいていない「走りの世界」が、ホンダには詰まってる。